野生獣による被害が深刻に
エサを求めて山から下りてくる野生獣のニュース、最近よく見聞きしますよね。
イノシシ、サル、クマ … 運悪くはちあわせて人が襲われるケースも多々あります。
また、野生獣による森林食害も深刻な問題になっていて、全体の約 3 / 4 がシカによる食害と言われています。
シカは草や枝葉だけでなく樹皮まで食べてしまうので、森林が枯れ土壌までもが崩壊してしまい、林業にも大きなダメージを与えています。
地球の温暖化に伴い、シカやイノシシなど野生獣の数は年々増え続け、今や野生獣による農作物被害額は年間約 164 億円(平成 29 年度)にのぼります。
環境問題として具体的な対策が早急に必要となっています。
害獣は食べられない?皮にも使えない?
環境を脅かす野生獣たちは、かわいそうなようですが害獣として猟師により捕獲・処分されます。
でも、その肉や皮はほどんど捨てられているのをご存知でしたか?
ジビエ料理にしたら?
―獣肉は、管理された衛生的な施設で速やかに精肉しなければ、流通できるだけの品質を保つことができません。
皮を利用できないの?
―捕らえた害獣は猟師が引きずって運ぶので傷が付いてしまい、皮革として利用するのは難しくなります。
畜産獣の肉や皮を利用するのと違ってネックになる要素が多々あるため、捨てるしかないのが現実のようです。
「マタギプロジェクト」発足!
「野生獣と人との環境バランスを保つために害獣対策を行い、獣皮を地域活性化に役立てることはできないか?」
そんな発想から始まったのが、「マタギプロジェクト」です。
山口産業(株)、大学、NPO法人等のメンバーが中心となって2013年に実行委員会を発足。
全国160の団体・個人と連携し、今まで捨てられていた獣皮を価値ある資源として活用し、地域の活性化につなげる国内唯一の獣皮活用支援事業です。
猟師たちの協力あってこそ
「マタギ」とは、北海道や東北の山岳地帯の猟師を指す呼称。
マタギプロジェクトは猟師たちの理解・協力なしには成り立ちません。
銃創が目立たないような箇所を配慮して撃ってもらたり、傷が付かないように持ち帰ってもらうためにも支援が必要になります。
従来よりも手間がかかる、と、初めは嫌がる猟師が多かったのですが、現在は協力してくれる猟師が増え、プロジェクトは着実に前進し続けています。
植物タンニン 100%でなめしたエコレザー
皮をなめす際、一般的には金属系なめし剤を使用する「クロムなめし製法」が使われるところ、マタギプロジェクトでは、人にやさしく自然環境にも配慮した植物タンニン 100%の「ラセッテー製法」を使用。
「日本エコレザー基準」にも準拠する皮革素材を使っています。
このプロジェクトによる商品を多くの方に購入して頂くことで、地域社会や地球環境への貢献に繋がる仕組みになっています。
マタギプロジェクト × スピングル SPM-260 登場
スピングルカンパニーは、サスティナブルな視点での商品開発を企画する中でマタギプロジェクトと出会い、ついにこの秋 SPM-260 を発表。
北海道で害獣として駆除されたエゾシカ革を使ったスピングルです。
エゾシカは狩猟する期間が限定されていて全体の流通量が少ないため、価格は通常の鹿革の約2倍。非常に希少で高級な素材とされています。
地球環境にやさしいスピングル
SPM-260 のベースは、人気の鹿革モデル SPM-241。
ベーシックなデザインが素材を一層引き立て、ソフトで快適な履き心地を感じて頂ける逸品です。インソールにはスピングルロゴの焼き印が入っています。
また使われている素材は、靴の使命を終えた後に土に埋めることで分解され、母なる大地へと還る天然素材だけを厳選しています。
アッパーのサイドには鹿革の強度を補強するためにベロアレザーを、またソールには天然クレープソール、ライニングには牛革を採用。
スピングル初の地球環境にやさしいエシカルシューズです。
森の恵みを価値ある資源として活かしたこのモデルが、一人でも多くの方にとって地球環境について考えてもらえるきっかけになりますように。
販売はSPINGLE SHOPおよびSPINGLE オンラインショップのみとなります。