スピングルのこだわり
通常スニーカーでは使用しない素材
スピングルでは、通常スニーカーなどではあまり使用しないようなレザーや多種多様な革を使った様々な加工、各革の持つ素材感や、加工によって生まれる様々な表情の靴を生み出すことに挑戦しています。天然レザーではカンガルーをはじめ、牛、馬、豚、ラクダ、ゴード(山羊)、シープ(羊)、クロコダイル、パイソン(ヘビ)、リザード(トカゲ)、イール(ウナギ)、珍しいものではシャーク(鮫)など取り扱い、加工ではプリントやプリーツ加工、クロコダイル加工、靴ごと染める製品染めや、作った靴を水洗いする洗い加工を取り扱い、各ブランドとコラボした素材も取り扱ってきました。
手作業だからこそ生み出せる世界に一足の表情
それらは高温の釜に入れて作るバルカナイズ製法による高熱や炭化、縮み、変色など厳しいチェック項目を通った品質にもこだわったものを用いています。それらの素材へのこだわりは、履きこむことによる一足一足違う独特のムラやシワの「味」、手作業だからこそ生み出せる世界に一足の表情を作り出します。お客様に今まで見たことのない靴を届けるため、今後もあらゆる可能性に挑戦していきます。
1839年にアメリカで生まれたスニーカーの基本製法
スピングルの特徴は、ソールがそり上がってアッパーを巻き込んでいるこの独特のデザインにあります。見た目はもちろんのこと、底とアッパーの結合が強く、底が剥がれにくい、型崩れしにくい、といった機能性も兼ね備えたこのフォルムは、「バルカナイズ製法」によって作られています。
「バルカナイズ製法」とは、硫黄を加えたゴム底と靴本体を接着し、釜にいれ熱と圧力をかける製法で、170年以上も前の1839年に、アメリカの発明家チャールズ・グッドイヤーが発明した、まさに“スニーカーの基本製法”なのです。
職人の手作業でアッパー(本体)とソールとを接着したスニーカーを吊り棚にセッティングします。このとき、ぱっと見ではスニーカーは完成形に近いのですが実はまだゴム部分は柔らかいんです。これを加硫釜にいれることによって、アッパーとソールがしっかり結合します。
手作業による想像以上の労力と手間暇
100度以上で約一時間、スニーカーは釜の中で加圧・加熱されます。加熱が終了すると、轟音と共に釜の扉が上方に開き、中の煙が溢れ出します。熱風、白煙、そしてゴムの匂いが充満する中、職人が吊り棚を取り出し、型崩れ防止のために付けられた仮糸と布を手際良く切っていきます。その後、熱を持ったスニーカーの形を安定させるため、大きな扇風機で冷まします。
「バルカナイズ製法」は基本的に手作業のため、想像以上に労力と手間がかかり生産効率が悪く、その数は激減し、現在、日本でバルカナイズ製法を行っている会社は当社を含めほんの数社のみ、と言われています。80年以上の歴史ある当工場が「バルカナイズ製法」をこれからも守り続け、そのクオリティーの良さを世に伝え続けていきます。
職人VOICE
スピングルの靴作りにかかせない職人の声をお届けします。
設計(パターン)
かっこよくて履いたときに心地がいいものを作る
履き心地の足当たりだとかフィット感とデザインとのバランスを気をつけています。 見た目がかっこよくて、履いたときに心地がいいものを作るためには、骨にあたって痛かったりだとかちょっとしたところでかわってくるので注意しています。
お客様へ一言
気に入って履いてもらうのが一番。
ちょっと出かけるときについ選んでしまって履いてもらえると嬉しいですね。
爪先つり込み
ミリ単位で誤差がないように同じ幅で
木型に沿わしてシワがないようにアッパーを釣り込む作業をしています。難しいところは飾りのある素材のときに左右対称にするのが大変です。また、材料が変わると部位によっては革の伸び方が微妙に違ったりするので、手作業で左右しっかり合わせてバランスをとってやっています。幅が左右違ったり高さがあってないと見た目がおかしくみえてしまうので、アナログですがミリ単位で誤差がないように同じ幅で沿わせるように努力しています。
お客様へ一言
ガシガシ、しっかり履いてもらってこの靴がええなーと感じてもらいたい。大事に履こうって思っている方も、汚れたらちゃんと手入れして大事に履いてもらえたら嬉しいです。
吊り込み
見た目や足入れが悪くならないように
やっているのは吊り込みの横着けという作業で、機械で前側を釣り込んだ状態のものを、内側と外側両側をラスト(足型)に合わせてつけるという作業です。もちろん靴の見た目に影響するんですが、ひっぱり加減で履き口の高さが変わって、足入れが悪くなったりするので、注意して行っています。
お客様へ一言
僕はドライブが好きなんですけど、この靴は運転もしやすいので、観光のときなどは運転と歩くのを合わせて、この靴で楽しんで貰えればと思います。
底貼り
一足ずつの状態に合わせて貼る時の調整が難しい
靴底をつける仕上げ作業を行っています。隙間ができて剥がれないようにするため、アッパー素材の状態を把握して材料に合わせてのりを選んでいます。同じ素材でも一足ずつ革の縮み具合が違ってくるので微妙な調整が必要で、先っぽを巻き上げるのは今でも難しい。貼るのが難しい素材のときは緊張します。いろんな色のバリエーションがあるので、選ぶのを楽しんでいろんなところに履いていってやって下さい。
お客様へ一言
いろんな色のバリエーションがあるので、選ぶのを楽しんでいろんなところに履いていってやって下さい。